土壌サンプル採取日
慣行(*1):2024年9月4日
減農薬(*2):2024年9月20日
無農薬(*3):2024年10月16日
※いずれも落水から2週間後
*1 農薬や化学肥料を使用する一般的な農法。
*2 同一生産者の従来の栽培方法と比較し、農薬を5割、化学肥料を5割削減。
*3 栽培期間中、農薬、化学肥料不使用。
土壌診断 項目
1.全炭素量(C)、全窒素量(N)、C/N比
2.菌根共生率、菌根菌胞子数
3.一般生菌数、大腸菌群数、大腸菌数
土壌診断 証明書
慣行・減農薬(生産者:静間幸一さん)
無農薬(生産者:杉浦英二さん)
土壌診断レポート
考察
■全炭素量、菌根菌との共生、一般生菌数の全てにおいて、圃場3(無農薬)が他を上回りました。
■土壌への炭素貯留は、土壌の多様な生物によって駆動される腐植連鎖によって起こります。腐植連鎖の起点は土壌微生物ですので、土壌炭素量は土壌微生物の豊かさと密接に関係します。
■圃場1(慣行)、圃場2(減農薬)に対する圃場3の全炭素量の多さは、土壌微生物の豊かさ(一般生菌数の桁違いの多さ、菌根菌の存在など)によってもたらされていると推定します。
■圃場3の土壌微生物の豊かさは、無農薬栽培であること、および、山水の利用により、自然環境に生息する微生物が適宜供給されることによって支えられていると思われます。
■圃場1,圃場2は山水利用という点では同じですが、慣行栽培を通して土壌に蓄積された農薬等の影響で、土壌微生物が定着しにくい環境にあると推定します。
土壌診断結果を受けて(中川さんコメント)
今回の土壌診断で、同じエリアで同じ品種の米を育てたとしても、結果に違いがあることがわかりました。この違いには、少なからず栽培方法も影響していると考えています。
私たちは今後、水田ごとに土壌診断を行うことで、農家の方に栽培のご検討に活かして頂いたり、より生物多様性への貢献度が高い水田を発見し、未来酒度の星付けに活用して参りたいと考えています。また、S風の森の酒質にも栽培方法による違いが表れることにも期待しております。
様々な取り組みによって、未来酒度★★★(星3つ)の日本酒が生まれることを、私も楽しみにしています。
写真)土壌サンプル採取時の圃場1(2024年9月4日)
写真)土壌サンプル採取時の圃場2(2024年9月20日)
写真)土壌サンプル採取時の圃場3(2024年10月16日)