地球のため未来のために農業をはじめた。AINA FARM

三重県亀山市

土壌診断 項目

1.全炭素量(C)、全窒素量(N)、C/N比
2.菌根共生率、菌根菌胞子数
3.一般生菌数、大腸菌群数、大腸菌数

土壌診断 証明書

土壌診断レポート

考察

■豊富な有機物を含み、多くの土壌細菌が生息しています。土壌中の窒素量も適正範囲にあり、化学肥料に頼らずに作物生産が可能になる基本条件が整っています。
■菌根菌は一部の株で共生が認められましたが、土壌中の胞子数は極わずかでした。しかし、菌根菌が生息できる土壌環境は整っているので、菌根菌製剤の施用によって、菌根菌を再定着させ、その機能を利用した作物生産が可能になるでしょう。
■大腸菌は非検出(N.D.)で、作物の菌汚染や公衆衛生上の問題は有りません。農作業を行う上でも安心です。

土壌診断結果を受けて(萩さんコメント)

気候変動へのアプローチ、地球温暖化の回復に貢献したくて農業をはじめました。今の場所での耕作は一年目で、炭素貯留量が地域標準より+20軒分多いという結果は、まだまだこれからかもしれませんが、土壌診断結果として数字やデータで示され、現在地を把握することができたし、不耕起栽培が環境に貢献する可能性を感じました。過去に土壌診断サービスを利用したことはありますが、土壌の養分を計測するようなものだったため、今回、一般生菌数などを計測でき満足しています。

萩さんインタビュー

こんにちは!UPDATERのレイラです。AINA FARM 萩さんと知り合ったのは2020年3月。mymizuという日本初の給水アプリを運営する団体のボランティアメンバーに、同じタイミングで参加したことがきっかけでした。AINA FARMが始まった2020年9月からは、手作り豆乳キットや野菜セットを定期的に注文して、萩さんの活動を応援しています。

そんな中で、私自身が昨年10月にUPDATERに参加してすぐ、みんな大地のプロジェクトでAINA FARMの土壌診断を行うと聞きました。「なんて狭い世界なんだろう!」と思いながら、AINA FARMの野菜を毎日のように食べているファンとして、萩さんにインタビューをお願いしました。

写真)2021年12月、引っ越し前のAINA FARM 訪問時。
左から、UPDATERのレイラ、パートナーのトマス、萩さん。

レイラ
はじめにAINA FARMの紹介をお願いします。場所や農業の特徴を教えてください。

萩さん
2020年9月に新規就農したあと、2023年1月に三重県亀山市関町にある「関宿」というところに引っ越しました。現在は、約6反の耕作放棄地を借りて農業を行っています。関宿は、江戸時代の街並みを今に残す宿場町です。AINA FARMは、この古い町並みから歩いて5分のところにあります。近くには、神社や森、湧き水でできた小川や山がある、自然豊かで素敵な場所です。ぜひレイラに来てほしいです(笑)

農業の特徴は、農薬や化学肥料、動物性堆肥を使わず、土を耕さないことで、極力環境に負荷を与えないことを大切にしています。できる限り多くの炭素を土壌中に貯留することで、農を営みながら気候変動にも貢献する在り方を目指しています。

レイラ
2年前に引っ越し前のAINA FARMに遊びに行って、いつも食べている美味しい野菜が育っている場所を実際に見て、とても感動した記憶があります。今は亀山市関町に移っていますが、引っ越した理由を教えてください。

萩さん
自然に囲まれていながら街との繋がりもある場所で農業をするというビジョンを、関町なら叶えられると思い、引っ越しを決意しました。また、以前の場所で虫が発生したことがあるのですが、その出来事を近所の方々からネガティブに受け止められたことも影響しています。ポジティブな理由とネガティブな理由どちらもありますが、結果的には今の場所に移ってよかったと思っています。

レイラ
3年前に東京での仕事を辞めて三重県の故郷に戻って農業を始めたきっかけや、どのようなビジョンを持ってAINA FARMに取り組んでいるか教えてください。

萩さん
農業をはじめた一番の理由は、地球のため未来のため。小さい子どもが「地球を守りたい」と言うような思いでいっぱいでした(笑)傷のないキレイな野菜をたくさん育てて売りさばくよりも、どれだけ多様性のあるファームを作って、どれだけ炭素を土壌に貯めて地球温暖化に貢献するかということのほうが、自分のなかでは大事です。

また、地球を大切にすることはもちろん、育てているものの美味しさも大事だと思っています。野菜・果物・ハーブが本来持つ美味しさを最大限引き出すことをこだわりにしています。野菜の本来の美味しさを通して、色んな人に興味を持ってもらい、地球と未来のために取りくむ思いを伝えていきたいと思っています。

そして、ただ野菜を作るだけではなく、人と人、人と自然が繋がる場所を目指しています。AINA FARMを訪れた人たちが、ほっと落ち着いたり、楽しんだり、生きているな~と実感できるような場所になったらと思います。

レイラ
AINA FARMの野菜は、東京のスーパーで売っている野菜と比べ物にならないぐらい、本当に美味しいと思います!裏側にこのようなビジョンがあって、地球への負担が少ない農業があるからこそ、野菜の美味しさを素直に感じることもができます。それに、いつもより美味しい野菜を食べて「なんでこんなに違うんだろう」と思うことが、地球や気候変動について考えるきっかけにもなりそうです。

これからAINA FARMとしてさらに取り組みたいことはありますか?AINA FARMの将来について話を伺いたいです。

写真)UPDATERの髙橋さんが最近注文したAINA FARMの野菜セット。
萩さんはプラスチックごみを減らすために包装は新聞紙のみ使用しています。

萩さん
近い将来は、日本の特有の発酵文化を大切に、作った野菜で漬け物を作りたいなと思っています。AINA FARMが日本の伝統的な街、関宿に近いことにも影響を受けています。それに自分の暮らしを経済的もサステイナブルにするためにも、六次化したいですね。

また、色々な方に来てもらって農業や自然との関わりを体験してもらいたいので、街と農と食をテーマにした旅行ツアーも組んでみたいです。そのためにも、世界観のある農園を作っていきたいと思います。

そして中長期的には、もっと環境問題の解決に貢献していきたいと考えています。最近、みんな大地に土壌診断をしてもらって、少しは貢献していることが分かりましたが、まだ地球規模では全然インパクトが小さいと思います。

もちろん、小さいインパクトの積み重ねも大事だと思いますが、例えば森林テックのようなグリーンビジネス企業を作って、地域資源を活用しなが日本で放置されている人工森を管理して、カーボンクレジットにするとか、そういうこともできたら嬉しいなぁと思っています。

レイラ
萩さん、AINA FARMについて詳しく話を聞かせていただいてありがとうございます。引き続き美味しい野菜をいただきながら応援します!

AINA FARMの野菜を楽しめるお店(一部ご紹介)

・ひのめ https://hinome.info/
・Zero Waste Market 斗々屋 https://totoya-zerowaste.com/

※常に取扱いがあるわけではないため、ぜひお店の方とのコミュニケーションやSNSチェックもお楽しみください。

今回の土壌診断サポーター

土壌診断費用:株式会社UPDATER(みんな大地)
インタビュー:レイラ(株式会社UPDATER)

INFORMATION

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