農業法人が二世代に渡って運営する、本格的な体験リゾート。なんじゃもんじゃリゾート

千葉県山武郡横芝光町

土壌サンプル採取日

2025年7月4日

土壌診断 項目

全炭素量(C)、全窒素量(N)、C/N比

土壌診断証明書

土壌診断レポート

考察

■この圃場の土は「細粒質普通褐色森林土」に分類されます。樹園地(果樹)や畑地として使用されている場合、一般的には表層が薄く、有機物含量も少ない土壌とされています。
■それにも関わらず、土壌の全炭素量は地域標準値(農研機構「土壌のCO2吸収「見える化」サイト」記載値)の2.49倍と、極めて多くの有機物が存在していました。
■自然に、あるいは剪定によって地面に供給される落葉落枝は、土壌生態系(土壌微生物や土壌動物の営み)による分解を通してその一部が「難分解性有機物」に変換されます。全炭素量はこの難分解性有機物の量を反映しますので、全炭素量が多いということは、土壌生態系が健全に機能している証でもあります。
■実際、圃場視察においても土壌の弾力性、良好な団粒構造、厚みのある表層(腐植層)が確認され、土づくりを担う土壌生態系の活発な働きが実感できました。
■以上を踏まえ、本圃場で地域標準値を大きく超える炭素が貯留されている要因は、有機JAS認定農薬を必要な場合にのみ使用し、生き物への影響を最小限にとどめていること。また雑草を意識的に残すことで、植物の根から出る分泌物を栄養源とする土壌微生物が生息できる環境を維持してきたこと。これらの管理手法により健全な土壌生態系が育まれてきたためと推測いたします。

土壌診断結果を受けて(秋葉さんコメント)

なんじゃもんじゃリゾートは、農業を営む先代、私の父が、約40年前に始めた施設です。当時は、今の施設のレストランとウッディコテージだけでしたが、その後、施設を拡大、充実させてきました。

写真)なんじゃもんじゃリゾートの施設の一部 左:ウッディコテージ、右:もんじゃ池

写真)なんじゃもんじゃリゾートの施設の一部 左:ニューパークコテージ、右:ヴィラ

私たちは農業法人ですので、なんじゃもんじゃリゾートを運営しながら、古代米や長ネギ、梅などを栽培しています。

写真)リゾートエリアに隣接する農業エリア
左:農業用重機。秋葉さんは、古代米や長ネギなどを栽培している。
右:2019年の台風15号により倒木したスギ林に、あらたに植林したり、ウッドプランターを設置して、再生。

今回土壌診断を行った場所は、お酢などの特定農薬以外は使用しない、無農薬での栽培を開始して3年目の梅畑です。

写真)秋葉さんの無農薬の梅畑(写真右半分)と、隣接する除草剤管理のみの耕作放棄された梅畑(写真左半分)。(2025年6月17日)

実はこの無農薬の取り組みは、東京都に住む知人からのリクエストで始めました。1、2年目は綺麗な梅が出来ずくじけそうでしたが、知人からの「無農薬は3年必要でしょう!」という励ましを受けて、諦めずに取り組んだ結果、3年目の今年は見事な梅を収穫することができました。それに加えて、畑を歩いた時の土の感触がふかふかになって、明らかに変わったと感じられるようになりました。

私たちは、環境への負荷を少しでも減らし、カーボンニュートラルの宿を目指して、施設でみんな電力の再生可能エネルギー100%の電力を使用したり、農業や施設から出るゴミ(有機物)をたい肥として農業に循環させるような取り組みを行っています。

写真)左右いずれもたい肥場。農業やリゾート施設で発生した有機物は、たい肥として循環させている。

そのような意向がありますので、農業の取り組みによる脱炭素への貢献にも興味があります。今回、農業の取り組み方によって土に二酸化炭素を貯留できることを知り、土壌分析をお願いしました。土壌診断の結果から、私たちの取り組みが土に反映されていることを確認できて、とてもうれしく思いました。

今年収穫した青梅は、道の駅などで無農薬を謳わずに販売しました。これからは、今回の結果も活かしながら、私たちの栽培した梅を欲しいと思って頂ける方に届けられるように挑戦していきたいです。

INFORMATION

農家さん関連情報