土壌サンプル採取日
2024年11月12日
土壌診断 項目
1.全炭素量(C)、全窒素量(N)、C/N比
土壌診断 証明書

土壌診断レポート
考察
■一般的に、みかん農園は落ち葉や剪定枝、雑草などが土壌に有機物として供給されるため、野菜を生産する畑と比較して炭素貯留量が高い傾向があります。ただし、圃場が傾斜地であるなど、地理的に有機物の蓄積が難しい場合もあります。
■この圃場は比較的平らで、草生栽培の取り組みも手伝い、地質標準値の2.21倍の炭素貯留量を実現しています。
■みかん栽培を通じて、土壌に有機物を貯留し、地球温暖化抑制に貢献している農地と言えます。
土壌診断診断結果を受けて(外山さんコメント)
静岡県三ケ日町エリアは日本でも有数のみかんの産地です。
「トヤマミカン」では美味しいみかんを作るため、木の片側剪定、バイオ炭の導入など、日々研究を重ねています。この地域では珍しい「草生栽培」にも挑戦しています。
「草生栽培」は、みかんの根本に草を生やすことで、土壌の水分を保つことができるため、異常な酷暑に強い栽培方法と言われています。また、丈の低い草を意図的に育てることで、草刈りの手間や除草剤の使用量を減らすことができます。父もみかん畑を管理していますが、私の取り組みを見て興味を持ち始めています。
今回、草生栽培が炭素貯留量に与える影響を調べるため土壌診断を実施しました。地域標準の2倍以上のCO2が貯留されていることが分かり、その効果を実感しています。2024年2月にはTOWINGさんの「宙炭(ソラタン)」を畑の表面にまきました。将来的には炭素貯留量にも良い影響が期待できるかもしれません。
分析結果を受けて土作りの方向性とカーボンファーミングを確認できました。景品表示法により「環境に優しい」という言葉1つとっても具体的な根拠がない場合は優良誤認表示になります。炭素量が多いと証明されたことは具体的な根拠として有効ではないでしょうか。

写真)土壌サンプル採取時の様子(2024年11月12日)