土壌サンプル採取日
2024年7月25日
土壌診断 項目
1.全炭素量(C)、全窒素量(N)、C/N比
2.菌根共生率、菌根菌胞子数
3.一般生菌数、大腸菌群数、大腸菌数
4.化学分析(基本10項目)
土壌診断 証明書
土壌診断レポート
考察
千住6番
<計測結果のまとめ>
■全炭素量は地域標準値(農研機構「土壌のCO2吸収「見える化」サイト」記載値)より20%程度低い値でした。これは畑に投入される有機物がシアノバクテリア類(炭素比率が低い)に限られるため、と考えらえます。
■菌根菌はほぼ生息していませんでした。生産性の高い圃場であることを考えると、作物が、菌根菌に頼ることなく養分(特にリン)を獲得できるため、菌根菌との共生を止めた可能性があります。
■一般生菌数は土1gに1億5000万個と非常に多い値でした。これらの生菌がシアノバクテリア類なのか、多様な細菌種が存在しているのかは今回の分析では判断できません(おそらく前者と推定します)。この一般生菌数の多さが、この圃場の高い生産性を支えている可能性があります。
■大腸菌は非検出(N.D.)で、作物の菌汚染や公衆衛生上の問題は有りません。農作業を行う上でも安心です。
■化学分析(基本10項目)では、作物成育の必須3要素とされる、窒素、リン酸、カリウムのうち、カリウムが過剰、窒素、リン酸は不足でした。
■化学肥料に依らないカリウム源は、この土壌に非常に多く生息する細菌(一般生菌)の細胞内液のカリウムイオンであり、作物の成育に必要十分量のカリウムを土壌細菌(シアノバクテリア等)が提供していると推定できます。
■細菌は有機物として窒素、リンを保持していますが(タンパク質、アミノ酸、核酸、リン脂質を構成する元素として)、無機の窒素、リン酸は保持していないため、細菌が多くても、窒素(硝酸態)、リン酸(可給態)が少ないという化学分析の結果は理に叶っています。
■以上のことから、従来の考え方では、カリウムは十分量あるものの、作物が吸収できる窒素、リン酸が不足しているため、生産性の高い圃場ではない、という判断になります。
<シアノバクテリア農法の仕組み(仮説)>
■細菌(シアノバクテリア含む)が作物の成育に十分量のカリウムを提供していることを考えると、窒素やリンに関しても、細菌が提供している可能性があると考えます。
■つまり細菌(シアノバクテリア含む)そのものが肥料として働いている可能性があります。
■この場合、作物は窒素、リン酸を有機物として吸収することになります。作物がアラニンなどの小さなアミノ酸を吸収し、窒素を得る事を示す研究は既にあります(理化学研究所)。リン酸に関してはそのような研究はまだ無いようです。
■いずれにせよ、シアノバクテリア農法の仕組みを知ることは、作物が窒素、リンを吸収する新たなメカニズムを解明することに繋がると考えます。
圃場7番 相川704
<計測結果のまとめ>
■全炭素量は地域標準値(農研機構「土壌のCO2吸収「見える化」サイト」記載値)より32%低い値でした。これは長期にわたる慣行農法の地歴によって土壌中の炭素が消費されたため、と考えられます。
■菌根菌はほぼ生息していませんでした。化学肥料が多く投入されるなど、作物が、菌根菌に頼ることなく養分(特にリン)を獲得できるため、菌根菌との共生を止めた可能性があります。
■一般生菌数は土1gに7000万個と比較的多い値でした。最近導入したシアノバクテリア農法の効果が表れていると推定します。
■大腸菌は非検出(N.D.)で、作物の菌汚染や公衆衛生上の問題は有りません。農作業を行う上でも安心です。
■化学分析(基本10項目)では、作物成育の必須3要素とされる、窒素、リン酸、カリウムのうち、カリウムとリン酸が大きく過剰、窒素は適正値でした。
■直近までの慣行農法で使われた肥料(窒素、リン酸、カリウム等)が多量に残っており、その上にシアノバクテリアの効果が加算された結果であると推定できます。
土壌診断結果を受けて(やぶ田さんコメント)
有機栽培7年を窒素過剰でリタイヤし、自然栽培に転向して15年経ちます。低迷状態を逸脱したのが、光合成細菌の自家培養の簡素化に成功した5年前のことです。光合成細菌の使用により、年を追うごとに収穫量が増加し、「4年で安定期に入る」と言われているところ、いまだに伸びしろがあると感じます。
この事実から、光合成細菌は飢餓と疾病皆無の世を創出する強力なツールと考え、学者さんや関係機関に、通算15回以上の確認試験をお願いしてきました。ある学者さんは、1項目の試験を実施するのに、27パターンの栽培試験をする必要があると言っていて、営農者には難しい対応でした。
そのようなところ、みんな大地さんは的確なサンプリング方法、的をついた分析方法で、診断を可能にしてくれました。 今回初めて科学的な根拠が示され、否定や無視、懐疑的な意見に受けて立つことができるようになり、心より嬉しく思っております。
今後我が国のみならず、全世界が自然そのものの適正な糧を豊富に産出でき、疾病から開放される世が来ることを期待いたします。
写真)千住6番
写真)圃場7番 相川704